【ROCKSTONEデザイナーに聞く】

本革家具の魅力と、ブランドが立ち上がるまでの軌跡。

1980年代初頭から独創的なデザインと、その世界観で高い人気を得てきた家具ブランド、ROCKSTONE。
tac INTERIORの人気ブランドである「GREEN」「CITY」のデザインを手掛けてくださっています。
今回はROCKSTONE エグゼクティブデザイナーの岩倉秋夫氏に、tac INTERIORとの出会いから、コラボ家具の製作秘話、本革の魅力まで、たっぷりと教えていただきました!

ROCKSTONEについて

1981年、家具デザイナー岩倉榮利氏が、渋谷パルコのインテリアブランド館「パルコパートⅢ」にショップを持つことになり誕生したのが「ROCKSTONE」。40年以上の歴史を誇り、ホテルやレストランなどの商業施設でも数多く使用されています。
本能を刺激する高いデザイン性と独創的な世界観が人々を魅了し続け、80年代よりデザインされた製品の多くが、今もブランドの代表的な製品として製造・販売されています。

プロフィール

株式会社 ROCKSTONE エグゼクティブデザイナー
岩倉 秋夫氏
ROCKSTONEの立ち上げから携わり、創設者である岩倉榮利氏の従弟にあたる。
http://rockstone.co.jp/

tac INTERIORとの出会い

— tac INTERIORとコラボしてくださったきっかけについて教えてください。

先代の岩倉榮利に、デザインの依頼をいただいたのが始まりです。ROCKSTONEと別の会社のプロジェクトのために訪れていたベトナムの工場で、tac INTERIORの坂井社長と知り合ったというのが、最初の出会いでした。

— tac INTERIORの生産工場を拝見されたのですね。どんな印象を受けましたか?

ベトナムの提携工場を見せていただいて、現地で働いてる人たちの真面目な印象を受けました。感覚や雰囲気も、日本人とあまり変わらない感じでしたね。働き方や、ちょっとした仕草も似てると感じましたし、この工場とtac INTERIORは、非常に良好な関係でやってきたんだろうなと伝わりました。また、工場のキャパシティにも驚きました。日本の木工メーカーにはない規模で、生産力を感じました。

新たな家具作りへの挑戦。
GREEN・CITYシリーズの製作秘話

— 「GREEN」「CITY」のブランドの構想は初めからあったのですか?

最初はありませんでした。tac INTERIORは今でこそ、ソファやテーブルなど幅広い家具を作っていますが、当時は食器棚を専門で作る専業メーカーだったんです。そこで、ダイニングテーブルやチェアなどの「脚物家具」を作ることにしました。今後、食器棚だけで勝負をしていくのは、未来がないと思ったからです。

— 「食器棚だけでは未来がない」とは?

日本の戦後の家具需要は食器棚と婚礼箪笥(衣装タンス)が大半でした。しかし、アメリカの生活スタイルの浸透や、クローゼットなどの収納が備わった住宅の増加に伴って、家具の売り上げ比率は変化していたのです。食器棚や婚礼箪笥に変わって、ダイニングセットやソファが売れるようになっていました。そのような社会動向が今後も続いてゆくことを考えると、食器棚だけを作っていても経営は厳しいんじゃないかと思ったんです。まだ全国に行き渡っていなかったソファやダイニングのイス、テーブルはこれから伸びるだろうなって。

— 時代の流れを読んで、tac INTERIORに提案していただいたんですね。

tac INTERIORにもその考えを理解していただいて、脚物家具を作ることが決まりました。始めにダイニングセットを作ろうと決めたのですが、それも食器棚との連動を考えたからです。今まで作った食器棚と、テーブルと椅子をセットすれば、家具屋さんの中に一つの世界観ができるなって。食器棚を生かして、これまでになかったダイニングセットを持っていったらプラスになると考えました。

— tac INTERIORらしさを残しつつ、新しい物を作ろうという発想だったのですね。

そうです。ほかの食器棚メーカーにできないこととして、一つのメーカーで完結できるダイニングのルームを作ろうと、テーブルとイス作りから始めました。

本革を家具に使う理由とは?
魅力ある革と、寄り添った暮らし

— 「GREEN」「CITY」には本革が使われていますが、本革を選ばれたのはなぜですか?

ナチュラル感を大事にしたい思いはありました。革は経年変化して色が変わることもあります。それもナチュラルなことですし「エイジングだからいいよね」という価値観が広まっていくのはいいことだなと思ったんです。ナチュラルだからこその変化を理解していただけるので、商品を提供する方も安心して販売できます。

— 本革だからこそ、売る側も買う側も商品の変化を受け入れるマインドができているのですね。ちなみに本革の家具はどのくらいの期間使えるんでしょうか?

環境と使い方で全然違うと思いますが、一生使えると思っています。直射日光や乾燥などに注意した環境で、定期的にオイルでメンテナンスをすれば、一生涯だけじゃなく、子どもたち世代にも継げられるものになっています。

— その手入れや経年変化も楽しんでいくような感覚でしょうか?

そうですね。革はどうしても色が退色して薄くなるか、手で触るところが油で濃くなっていくかの、どちらかの変化があります。例えばソファの場合は、座るところが濃くなって、それ以外のところは薄くなっていくことも多いです。そのような変化も、味が出ていいなと思えたら、お手入れも楽しめると思います。

— 経年変化にも色々あるのですね。岩倉さんは、革の1番の魅力は何だと思いますか?

フィット感だと思います。人間の肌に一番近い素材で、優しい感触だと思うんです。皮と皮だから、赤ちゃんがお母さんに抱っこされているような感触と同じで、なじみがいいはずです。

— 最後に「GREEN」「CITY」の家具を通して伝えたいメッセージを教えてください。

ブランドの世界観を楽しんでいただきたいなと思います。今は社会の流れ的にモノが多く生産されていて、流行りを意識したり、売れてるものを真似してる商品もたくさん出回っている時代です。それもいいとは思うのですが、私たちは家具を作る上で、使う人のこだわりや気分、また家具を含んだ全体の空気感をとても大事にしています。GREENやCITYの家具を置いて、その空間がどんなモノになるのかを感じていただけたら嬉しいですね。

プロフィール

株式会社 ROCKSTONE エグゼクティブデザイナー
岩倉 秋夫氏
ROCKSTONEの立ち上げから携わり、創設者である岩倉榮利氏の従弟にあたる。
http://rockstone.co.jp/

初めてでも使いやすい、tacの本革家具

初心者の方でもメンテナンスが簡単なタックの本革家具。
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